蚕糸・絹業提携グループ 全国連絡協議会

シリーズ和装の人たち 武術研究者「甲野善紀」10

インタビューを通じて和装の着こなし方、素材として絹の素晴らしさ、日本の伝統についてお伝えして行きます。
前回に続き、武術研究者・甲野善紀さんのお話をご紹介します。

今回は最終回として、「 着物にまつわるエピソード」を お聞きしました

着物に関係したエピソードがありましたらお聞かせください。

 海外へ行くときも、洋服は持っていないので、もちろん着物でいきます。外国では、着物もそうですが、まず朴歯(ほおば)の下駄が珍しがられます。入国審査を受ける場合でも、着物を着ていて、武術の指導者である事を示す書類を見せると「OH!センセイ」と握手を求められて、簡単に済む場合もあります(笑)。「センセイ」というのが、アメリカでは武術の指導者を指す英製和語になっているようですね(笑)。ただ、保安検査のとき、袴(はかま)の腰板など、「何で、こんな硬いものが、こんなところに付いているんだ」と向こうの人にとっては見たこともないものなので、必要以上に厳重に調べられたこともあります。

着物を着始めた時、着物に詳しい人から「着物は、3年着続けないと身につきません」と言われましたが、確かに袴のいわゆる股立ち(ももだち)の所が、ドアのノブに引っかかったりすることが無くなるまでには、それなりに年数がかかりました。ただ、着物は着ているだけで自然と気が張って稽古にもなるし、耐寒力もつきますから、私としては着物以外考えられませんね。

着物の良さが、今より広く知れ渡るといいですね。ありがとうございました。

次回からは、シルクデザイナーの加藤なぎさ氏にシルクについてお話を伺います。楽しみに。
(更新予定 12 / 17)

【 甲野善紀 (こうのよしのり)】

●プロフィール 1949年東京生まれ。武術研究者。 1978年松聲館道場を設立。日本古来の武術を、伝書と実技両面から研究し、その成果がスポーツ、楽器演奏、介護、工学等から注目を集め、国内外で指導依頼されている。2007 年から 3年間、神戸女学院大学で客員教授も務める。著書に『表の体育 裏の体育』 (PHP 文庫 )、『剣の精神誌』(ちくま学芸文庫 )、『できない理由はその頑張りと努力にあった』 (聞き手・平尾 文 PHP研究所 )、『ヒモトレ革命』(小関勲共著、日貿出版社 )、新刊『古の武術に学ぶ無意識の力』(前野隆司共著、ワニ・プラス)等多数。「NHK人間講座」、「爆問学問」や「世界一受けたい授業」等TV出演多数。

ホームページ: https://www.shouseikan.com/

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