蚕糸・絹業提携グループ 全国連絡協議会

”O” 操/Operation 糸を操り糸を繰る

2019年度、一般財団法人大日本蚕糸会とともに、蚕糸・絹業提携グループ全国連絡協議会は、日本における絹の歴史や文化を紹介するために、ブランドブック「26の物語で紡ぐ日本の絹」を作成しました。
takaraginu.comではWEB公開企画として、追加取材で作成した記事ととも、AからZまでのアルファベット順に更新していきます。

”O” 操/Operation
糸を操り糸を繰る

繰糸器と生糸

「繰」という字は中国古代の漢字辞典「説文解字」によると「繭を繰くりて絲を為す」という意味があり、繭からの糸取りそのものを表す漢字です。そして「糸」という字は何本かの糸を撚り合わされたという象形文字からできていることから、繭からの糸取りと、撚糸による生糸作りは古代中国から行われていたということがわかります。

糸取りができて一人前

一つの繭から取れる糸は1,000m〜1,500mと言われています。蚕の吐く糸はとても細く切れやすいので、繭を一度に20個程度煮て、それをより合わせて生糸を作ります。この作業を座繰りと呼び、糸を撚り合せることを撚糸といいます。そしてここから艶のある美しい生糸が生まれます。

熱いお湯の中でほぐれていく繭から、細い糸を集めて撚り、糸の太さを一定に保つため、一つの繭の繊維がなくなる前に新しい繭の繊維を継ぎ足します。こうして均等の太さの糸が挽ける人が名人と呼ばれているのです。

昭和初期まで、養蚕の盛んな地域では糸取りができなければ嫁にはいけないと言われたくらい、生糸の糸取りは当たり前の作業だったのです。

こだわりが個性に変わる

繭の糸口を引き出す「箒草」、繭を煮るお水は湧き水、お釜のお湯は炭か薪で炊くことなど、拘ればキリがないほどの工程で作られている手作業による生糸は、年々生産が減少しています。

しかし、今でも手作業による糸づくりが続いているのは、均一化された製品ではなく、より特徴的な生糸も求められているという状況もあるようです。

もちろん機械による生糸も美しいですが、手作業によるものも、そのこだわりから作られる味わいがあります。


[取材協力]
株式会社宮坂製糸所