蚕糸・絹業提携グループ 全国連絡協議会

”I” 藍/Indigo 生きている藍と日本人

2019年度、一般財団法人大日本蚕糸会とともに、蚕糸・絹業提携グループ全国連絡協議会は、日本における絹の歴史や文化を紹介するために、ブランドブック「26の物語で紡ぐ日本の絹」を作成しました。
takaraginu.comではWEB公開企画として、追加取材で作成した記事ととも、AからZまでのアルファベット順に更新していきます。

”I” 藍/Indigo
生きている藍と日本人

美しい藍の国

明治23年、ドイツから来日したラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が「青い暖簾をした店も小さく、青い着物を着て笑っている人も小さいのだった」(『知られぬ日本の面影』)と書き記しています。

当時の江戸がいかに藍染にあふれていたことがよくわかる記述です。紺屋と呼ばれる藍染専門の染物屋は日本各地にあり、着物、帯、暖簾、浴衣、風呂敷など、あらゆるものを染めていました。 藍染には布の耐久性をあげる効果と、虫を寄せ付けない成分が含まれていたので、野良着などには最適でした

藍染は日本古来のもの?

藍染は世界それぞれの地域の原料を用いて作られてきました。エジプト、ペルーやインドでは古代の遺跡から藍染の布が発見されています。

藍染の材料はインディゴという色素を多く含んでいる植物のことですが、世界各地で異なるので、藍草と総称しています。日本ではタデ科の植物タデアイが多く、沖縄ではリュウキュウアイ、インドアイが使われています。

製造方法も生葉で染める方法、保存可能な状態の「蒅」を水分のある泥状にする方法(藍建て)、また生葉を煮出して「沈殿藍」を作る方法、など、気候や原料などにより異なる技法が見られます。発酵や微生物の様子を見守りながら行われる藍染はまさに職人と自然との共同作業というところです。

藍が生む日本の色

藍染と一口に言っても技法や布などにより、表れる色は様々なものになります。「藍四十八色」という言葉があるように濃淡の色合いにより、瓶覗、浅葱、水色、露草色、などそれぞれ名前がつけられるほど愛されてきました。

また他の草木染めと重ね染めすることで、多彩な美しい色が出来上がりました。藍と紅花を重ねた紫色「二藍」、藍茎と生葉を重ねた鼠色「港鼠」、黄檗と藍を重ねた「中緑」など、組み合わせや濃淡によって新しい色を生み出してきたのです。


[ 参考資料 ]
『藍染の絵本』山崎和樹編 (農文協 )
『藍染め』NHK美の壷制作班 (NHK出版)


[取材協力]
株式会社あきやま